52年ぶりの吾が娘に・・(8)
「長期滞在」
長姉の中国滞在は長期の予定である。 本人も周りも、それが 「死ぬまで」 だということを承知している。 ただ社会生活上はあくまで 「長期滞在」 なのであって、そのために渡航前から必要な手続きを勉強した。 滞在中に切れる日本国旅券の更新についてとか、中国での長期滞在ビザについてである。 現在中国は、15日以内の観光ならビザ不要なので、同行した私ども夫婦は旅券以外は何も要らなかったが、姉の場合は慎重な配慮をした。
実は出発前に、中国の長期滞在ビザを(個人で)取得することは難しいことが判明していた。 姉は、中国人と婚姻関係にあったことを証明する文書を何も持ち帰っていなかったからだ。 そこで旅行社に頼んで(観光用の)30日ビザを取ってもらった。 30日あれば、現地での延長手続きをやることが出来ると思われたからである。 実際には入国後13日目に三年間の長期滞在が認められたようで、送られてきた姉の日記にはその喜びが溢れていた。
この姉の場合はやや特殊だが、最近は留学やビジネス以外でも海外に長期滞在する人々が多いようだ。 いわゆる 年金生活者 の ロングステイ である。 今までの苦労のご褒美にだとか、現状否定の気分が旺盛な方ならば多くが考え付く老後の生活スタイルだ。 そして案の定、これを取り巻く グレーなビジネス が増えていることも報じられている。
今回の渡航はそういう怪しいサービスなど利用しないで、中国帰国者支援・交流センター で色々教えてもらって後は自分でやった。 年金も郵便局から ある 外資系の銀行 に振り込んでやると、瀋陽の街中の ATMで現地通貨を 出すことが出来る。 姉は、頼もしそうな娘や孫たちにぐるりとガードされてそこに立つのだそうだ。 でも、あちらの家族たちはそのお金に一切期待をしてはいないのだと言う。
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