ペルシャ語の名刺
購読している日刊紙の 「中日サンデー版」 という別綴じの中に、「世界と日本:大図鑑シリーズ」 という連載記事がある。 もう750回目にもなるが、毎回一つのテーマが広く深くそして分かりやすく編集されているので、日曜日の朝が楽しみだ。 先日は「世界の文字」というテーマであった。
それを読んで、文字の文化圏とはそれぞれの歴史や文化と一体になったものだということがよく分かった。 まずはラテン文字文化圏が広く世界を覆い、それに加えて アラビア文字 ・ インド系文字 ・ 漢字 ・ キリル文字(ロシアなど) の文化圏があるという。 そして日本のひらがな・カタカナは漢字から派生したものだが、韓国のハングルは漢字から離れようとして為政者によって作られたという。 国ごとのそういう違いを知るだけでも興味があった。
中にもう一つ心引かれる箇所があった。 それは、来る9月8日は 「国際識字デー」 であって、1965年にイランの国王が軍事費の一部を識字教育に回す提案をして、ユネスコによって制定された国際デーの一つなのだということ。 その王の名はムハンマド・レザー・シャー (パーレビ:1919-80)。 イランで最後の国王であり、ホメイニ師を立てたイスラム教シーア派の人々によるイラン革命によって国外に追われた人だ。
彼が自ら 「シャハンシャー(王の中の王)」 と称して権勢を振るっていたころ、私はイランに滞在した(1971-73)。 ヒマラヤ山系の西端にあるタレガン山地から水を引いてガズビン平野を潤すという灌漑事業の工事監理の仕事であった。 施工業者はドイツ企業と現地企業のジョイントであったから、英語・独語やペルシャ語の勉強も出来た。 当時は、意味はさておきペルシャ文字の音読は出来たものだが、今は全く覚えていない。 二人の息子も、あちらでは親よりも上手くしゃべったものだが・・。
右の写真は、当時私が使った手紙用アドレス(上4行) と 名刺代わり(下4行) のスタンプのペルシャ文字である。 その3行目には 「テヘラン○○通り○○番地」 と記載してあるが、それは現在の私共の住民票にも 「従前の住所」 として生きている。 それを見るたびに懐かしく、わが人生の記念碑のような気がしている。
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